動画伝道ハンドブック  3.話す(企画・ナレーション)

3.話す(企画・ナレーション)

撮影された動画を見ながら、あなたは茫然とするかもしれません。

げっ…。

かわいい子どもの運動会の様子を、家族で見る分には何時間でも見ていられるかもしれませんが、全く知らない人のホームビデオを見てもすぐに飽きてしまいます。

計画して撮ったつもりだけど、だらだらしているなあ、これ、誰かに見せて、本当に面白いと思ってもらえるだろうか…。不安が増すばかりです。

撮っては見たものの、何をどう伝えたら良いのか…。そういう悩みが、このワークショップには多く寄せられます。


そんな時は、こどもがよくやるように「ねえねえ、聞いてよ!」と、
家族や親しい人に撮影した素材や企画について、話してみましょう。


すると、

自分だけが興味を持つことなのか? 他の人にも興味を持ってもらえるのか?少しづつ、わかってきます。

そうしたら、次に、誰に見せたいか、年齢や国籍の違いは?あくまで自分たちの教会の教会員向けなのか、それとも、全くキリスト教を知らない人に向けたものか、ターゲットを明確に絞っていきましょう。

どこで見せるのかも大切です。

教団・教会・学校での発表のため、DVDにして配布したい、YouTubeで公開したいなど。企画が定まると、自ずと作品の語りも決まってくるからです。


またドキュメンタリーでは、ナレーションは極力少なくします。特に、登場人物の心の思いや、感情を表現する言葉を極力避けましょう。

心の声までを説明してしまうと、視聴者が対象に入っていくのを困難にするのです。

人の感情の動きは、視線や動作に現れてきます。内なる声ではなく、外に出ている、なぜ、こんな表情や行動をしているのか、ということを、ナレーションでフォローすると、視聴者は何を見ているのか把握できるようになります。

▽キリスト者の視点から

教会は、いつでも、人を驚かせてきました。神の言葉が、語られているからです。世の中では、味わえない教会で起きることを、丁寧に伝えるためにはどうしたら良いでしょうか。

①わたしたちの教会の特徴は何かを知る。

わたしたちの教会の特徴を生み出しているものは 、何なのか、源泉を辿る。教会員へのインタビューや、礼拝堂の佇まい、十字架やオルガン、椅子などの形状から、由来について、観察する。

②絵にならないような、小さく貧しいエピソードにこそ人を惹きつける映像の宝が眠っている。

③テーマが見つかったら、そのことが、今に生きていることの裏付けとなる記念誌などの歴史資料や写真を探す。

④教会の歴史の中で、人から人に、何が、どのようにして伝わったのか、この流れそのものが物語になる。

⑤V字回復に注目する。

教会におけるVは、最底辺からの逆転、神がもたらすヴィクトリー(勝利)の物語です。

一人ひとりの信徒や、教会全体に起こった出来事について、健康面や教勢など、むしろ、うまくいっていない事に向き合うことで、そこからの驚く物語が見えてきます。

⑥企画とナレーションとは、「語り」という面で、常に関わりがある。

初めにある企画書は、最終的なナレーション原稿の凝縮です。つまり、ナレーションは、企画の展開なのです。

特に、プロテスタント教会では、語られる「言葉」を重視してきました。最初から最後までを貫く、ブレのない語りが、筋の通った映像づくりを可能にします。


4.まとめる(編集)に続きます。

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この記事を書いた人

テレビディレクターとして、テレビ東京系WBS(ワールド・ビジネス・サテライト)、カンブリア宮殿、美の巨人たちなどの経済・美術番組に携わり、国内外1000社以上の企業を取材。

その他、企業VPや、劇場公開映画の制作、キリスト教関連では「ドキュメント加藤常昭」などドキュメンタリー作品を多数制作。

2017年映像制作会社を退社、2021年3月、東京神学大学大学院卒業、現在、新潟市にある日本基督教団 東中通教会 伝道師。